紙吹雪






「…しっかし…本当にでんのかねぇ…物取りって」




勝太と分かれ一人歩みを進める歳三は、溜息混じりにそんな言葉を漏らす。




つーか…あれだよ。

噂は知ってっけど見たことねぇし…狙う家もわかんねぇ。でっかい家とか?



そもそも悪い商いっつっても、それが表沙汰になるのは奴らの息の根が絶えた後の話。


つまり生きてる間はわからないわけで。




「何処を探しゃあいいんだよ…」





新月の日に確実に出るという保障はない。確立が高いというだけだ。



もしかしたら殺す相手さえいなければ新月の日には出て来ないのかもしれない。



そうなれば今日この時間は無駄になる。




< 92 / 320 >

この作品をシェア

pagetop