紙吹雪
「まぁ…惣が悪く言われるのは…うん、気分悪いしな。野放しにする可能性があるよりはマシ…なのか?」
まぁ捕まえられるに越したことはないよな、と一人頷く歳三。
だが、歳三には一つ気掛かりなことがあった。
というのも、命が奪われた輩は悪徳な商いをしていたわけで。つまりはそこそこ、その家は儲かっているということ。
ということは、だ。
江戸や京の同業者には及ばずとも、それなりに家の警備は整っているはず。
物取りの噂もあるのだから警備は厳重になっているだろう。
にもかかわらず続けて起こっている物取りの所業。
そんな家に、こんな光の無い日にそう何度も忍び込めるものなのだろうか。
「物取りってそんなもんなのか?」