紙吹雪




「くそっ!思い出せねぇ…」




必死に記憶の糸をたどり頭の中の引き出しを開けていく歳三。



掻き毟るように右手でぐしゃりと髪を掻き上げたとき





「ぅ、ぐぁぁぁあああ゛!!!!」





歳三が歩いていた道の前方から凄まじい悲鳴が聞こえた。

同時に何かが割れる音が静寂の中に響く。




「な、なんだ!?」




突然の出来事に驚いた歳三だったが、すぐに我に返ると慌てて声のした方へ足を進めた。


どうやら数件先を曲がった所にあるわりと大きな屋敷から聞こえた音らしい。



家の前には驚いて中から出てきたのであろう使用人が震えながら座り込んでいる。




「どうした!?」




直ぐ様歳三が駆け寄ると、その使用人は旦那様が…と家の中を指差した。




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