紙吹雪




「これ…誰が…?………!もしかして物取りか!?」




これが噂の物取りの仕業!?


…おいおいおい。

だったら追わなきゃなんねぇじゃねぇかよ!




歳三が急いでその場から走りだそうとしたとき、横たわっている男の手が弱々しい力で歳三の着物の裾を引っ張った。


そして最後の力を振り絞るように口を開き歳三を引き止める。






「……追、うな……だ…め、だ……ゴホッ…く、ろ…ね…こ……に、関わって、は……」





それだけ言うと、力尽きたように血溜りの中へパタリと落ちた男の手。

呼吸は微かに残っている程度でいつ途切れてもおかしくはない。





「……黒…猫……?」





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