紙吹雪
何だ、それ。
追うな?関わるな?
……やっぱり、ただの物取りじゃねぇってのか…?
………でも…
「…追わねぇわけにはいかねぇんだよ…!!」
俺も頼まれごとだかんな、と歳三は家の外へと走りだす。
腰を抜かしていた使用人に医者を呼ぶように促すと、急ぎ辺りを見渡す歳三。
悲鳴が聞こえてから歳三が駆け付けるまでそう時間はかかっていない。
だとすれば、それほど遠くへは逃げていないはず。
しかし、周囲に人の気配は感じられなかった。
「ちっ…くそ…どこにいやがんだ」
何にせよ、ここで立ち止まっていても何も進まないと思った歳三は己の直感を頼りに足を踏み出す。
歩きながら目を凝らし姿を探すが闇の中にその姿を見つけだすのは至難の業。