兎心の宝箱【短編集】

「あの……、私ね……」

まだ勇気が足りない。

「なあに?」

涼が振り返る。

オレンジ色の日が涼の顔に当たって、とても綺麗だ。

「アナタの事が……」

涼は、小首を傾げる。

あぁ、やっぱりずっと一緒にいたい。

「好きなの……」


遂に、想いが外に出る。

もう後戻りは、出来ない。

「僕も大好きだよ」

満面の笑みで答える涼。

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