兎心の宝箱【短編集】
次の日も美紀の様子は変わらなかった。
何を言っても曖昧な返事だけしか返してこない。
前畑も話し掛けに言ってるようだが、同じような感じだった。
このまま美紀との友達関係は、壊れてしまうのだろうか?
優子はそう考えると無性に悲しくなる。
何かできる事はないだろうか?
その日の放課後急いで家に帰ると、意を決して美紀の家に電話をしてみた。
目的は、美紀ではない。
「はい。高崎です」
彼女の母親の声がする。