兎心の宝箱【短編集】
3日前、グレーバー卿の招待で集まったのは、五名。新聞社の社長ロバート・コールウェン、冒険家のアーリー・ハドソン、絵描きのケイト・ブラン、写真家のアリス・グレイシーそして探偵ノーベル・スチュワートだった。
いずれもグレーバー卿と日頃から懇意にしていた者達ばかりだ。
妻も子供もおらず、天涯孤独の身のグレーバー卿は、友人達を呼んで行う晩餐会が唯一の楽しみだったのだ。
グレーバー卿が彼等と久しぶりの晩餐会を楽しんだ夜、その惨劇は起こった。