兎心の宝箱【短編集】

 深夜に響きわたる男の悲鳴。グレーバー卿の部屋の方から聞こえたその声に、探偵ノーベル以下四名とこの館に住まう唯一のメイド、ミリアがドアの前に集まる。

 探偵ノーベルがいち早くドアを叩き、ドアノブを左手でガチャガチャ回すが開かない。

 ミリアが合い鍵を探しに戻るが、業を煮やしたノーベルが扉に体当たりをしてこじ開けた。

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