兎心の宝箱【短編集】

「面白くねーなー。どうせ寝技に持ち込むなら、こう絡みつくような技をだなー」

「うるさい!」

 こういう事を言われるのが分かっているから、寝技は使いたく無かったんだ。

 彼女の力が抜けたのを確認して手を離す。

 数秒で彼女は、目を覚ました。

 途端、跳ね起きて構えようとするが、自分が落とされた事に気づいて力無くうなだれた。

「負けちゃったよ。僚君」

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