兎心の宝箱【短編集】

 彼が消えていく最中、声が聞こえる。

「いいか、只でさえ人間が増えてノルマが厳しいんだ! 勝手に自殺して、地縛霊になりやがったらタダじゃおかねぇからな!」

 結局彼は、願いも叶えてくれず、私の魂も持っていかず、去ってしまった。

 なんかお腹がすいてきた。

 夜食でも食べて、明日の用意をして、寝る事にしようと思う。
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