兎心の宝箱【短編集】

「はぁ? ちょっと待てお前等知り合いか?」

 僚は、神谷の下の名前だ。

「うん、僚君は、私のいとこだよ! 今回の件でもアドバイスしてくれたし」

 ほう、それだけ言うと、逃げようとしていた神谷の首根っこを捕まえる。

「取り敢えず逃げるな」

 俺は、そういうと神谷が逃げれないように捕まえながら、一条さんに問い掛ける。 

「でっ、こいつに何て言われて俺に殴り掛かったんだ」

「あの……えーっと、あのね」

 一条さんは、とても言いずらそうにモジモジとしている。

「怒らないから言ってみ」

< 29 / 416 >

この作品をシェア

pagetop