兎心の宝箱【短編集】
「はぁ? ちょっと待てお前等知り合いか?」
僚は、神谷の下の名前だ。
「うん、僚君は、私のいとこだよ! 今回の件でもアドバイスしてくれたし」
ほう、それだけ言うと、逃げようとしていた神谷の首根っこを捕まえる。
「取り敢えず逃げるな」
俺は、そういうと神谷が逃げれないように捕まえながら、一条さんに問い掛ける。
「でっ、こいつに何て言われて俺に殴り掛かったんだ」
「あの……えーっと、あのね」
一条さんは、とても言いずらそうにモジモジとしている。
「怒らないから言ってみ」