兎心の宝箱【短編集】
二度目の人生は、私には衝撃だった。裕福な家庭の娘として生まれ変わったのだ。とても楽しかった。生まれた場所でこうも世界が変わる物か? と驚愕した。
だがそれも16才を過ぎるまでの事だった。政略結婚の道具として私は、脂ぎった醜い中年の元へと嫁がされたのだ。
元男の感覚は、かなり薄れていたので、別に男と触れ合うのが嫌と言う事は無かったが、流石に気持ち悪かった。
この頃から私は、二度目の人生にも嫌気がさしてきた。
そして二十歳を迎える前に自ら命を絶った。