兎心の宝箱【短編集】
 だが私は、死を選ばなかった。一つの計画を思いついたからだ。次の人生の為に今回の人生を掛けるのだ。

 戦争が終わった後、私は事業を興した。どうせ死んだら次の人生が始まるだけだ、怖い物など何もない。

 私の積極的な行動は、事業を成功させた。そして主要な各国の私だけがわかるように資金を隠して、三度目の人生を終えた。

 四度目の人生は、かなり辺境の地で生まれた。少々の不幸には、慣れていた私は、現状に耐え地道に次の、次の次の人生の為に知識と資金を蓄えた。

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