兎心の宝箱【短編集】

ハァ……。



思わず溜め息が漏れる。


「アンタねぇ、そんな下らない事で泣かないの。

馬鹿じゃないの?」

「だって隣のクラスの安藤君が、

マンションの屋上から落ちたのは、

石にされて身動きできなかったからって……」



雄太は俯いて悲しみにくれている。



いつも思う事だが、何でこの手の噂というのは無くならないのだろう。

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