兎心の宝箱【短編集】

「茜ってば嬉しいのはわかるけど、暴走しすぎだってば!」

 ひとしきり笑った後、愛が目に涙を浮かべて未だにヒーヒー言いながら喋る。

 後で何か嫌がらせしてやろう。

「だからってそんなに笑わなくてもいいじゃん!」

「しようがないよね。茜ちゃん、橋本君と同じクラスになりたいってずっと言ってたもんね」

「ちょっちょっと美幸! 名前出しちゃ駄目! バレちゃうでしょ?」

 横で、ブリッジブックなんて安直な名前を宣言してる奴が良くいうよ、と愛が何かを言ってるが無視をする。

 後でこいつのお気に入りのストラップに落書きしておこう。

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