兎心の宝箱【短編集】
「それで? どうするの? どうせ茜に告白は、無理っしょ」
愛がニヤニヤしながら痛い所を付いてくる。
確かに私は、小学校6年生に橋本君好きになってから早や五年、数々のチャンスをフイにしてきた。
だがあっまーい! この日の為に私は、妄想……もとい作戦を練ってきたのだ!
「ふっふっふ! 今までは私から告白しようとしてたから恥ずかしくて上手くいかなかったのよ」
「ふむふむ確かに。茜ちゃん彼の前だと顔真っ赤になって何も話せないもんね」
美幸が頷く。
愛がまるで別人だもんね、と同意する。
私は乙女なんだから仕方ないじゃない。