兎心の宝箱【短編集】
「てかさ、なんであのヒョロヒョロモヤシが良いわけ? あいつ未だに自分の事僕って言うんだぜ」
はい、死刑確定。
「もう! 怒るよ愛! 前にも言ったでしょ。当時可憐でいたいけな少女だった私に、イタズラしようとした悪い人達から、彼が助けてくれたって」
「あれ? あの時喧嘩売ったのって茜ちゃんの方じゃなかったかなぁ?」
「美幸ちゃん……。世の中忘れた方がいい事もあるの」
私は穏やかな眼差しを美幸にむける。