兎心の宝箱【短編集】

暖炉の灯りが柔らかく辺りを包み込む。

静寂の中に時折聞こえるのは、薪がはじけるパチパチという音だけだ。

その傍らで、ウェーブのかかったブロンドの女性が一心不乱に何か編み物を続けている。

やがて何かの形が出来上がってくる頃、柱時計のボーン、ボーン、という音が部屋に鳴り響く。

< 407 / 416 >

この作品をシェア

pagetop