兎心の宝箱【短編集】

「和也、お前有坂に告白されたって本当か?」

「あぁ、本当だけど? それがどうした? まあ例のごとく断ったけどね」

 小学校からの親友である宮村には特に隠す必要もないだろうと思い、昨日の事を話した。

「そうだよなあ、結構可愛いけどミスアンラッキーだからな」

「なんだそれ?」

 聞いた事のないあだ名に興味を惹かれる。

 不運の塊。

 歩く災厄。

 神に見放された女。

 悪魔に好かれた女。

 ミスアンラッキー。

 それらは全て彼女に付けられたあだ名らしい。

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