兎心の宝箱【短編集】

「一体どんな事があったら、そんなあだ名がつけられるんだ?」

「いや──? 俺も良くしらないけど、とてつもなく不運らしいぜ。同じクラスになるのも嫌とか言う奴もいるし」

 気になる……。

 異性としてではなく純粋に興味として。

 ドタンッ!

 盛大な音に驚いて教室の入口を見てみると、有坂が思いっきりコけていた。

 そばには有坂が踏んだのだろう、プリント用紙が舞っていた。

「なる程な」

 その日は、何気なく有坂を観察してみることにした。

< 45 / 416 >

この作品をシェア

pagetop