兎心の宝箱【短編集】
「一体どんな事があったら、そんなあだ名がつけられるんだ?」
「いや──? 俺も良くしらないけど、とてつもなく不運らしいぜ。同じクラスになるのも嫌とか言う奴もいるし」
気になる……。
異性としてではなく純粋に興味として。
ドタンッ!
盛大な音に驚いて教室の入口を見てみると、有坂が思いっきりコけていた。
そばには有坂が踏んだのだろう、プリント用紙が舞っていた。
「なる程な」
その日は、何気なく有坂を観察してみることにした。