兎心の宝箱【短編集】
三時間目は、休んだみたいだったが、四時間目に戻ってきた時、頭と関係のない手に包帯を巻いていたからまた何かあったのかもしれない。
お昼休み。
宮村と教室で雑談しながらも彼女を見つめていた。
昼休みになってから10分程度経っている。
彼女は、昼休みになってから弁当を出してくるでもなく、学食に向かう訳でもなく、一人机に向かって本を読んでいる。
「有坂は、昼飯食べないのかな?」
「さぁ? ダイエットでもしてるんじゃないのか? 腹減った……。俺達もそろそろ学食いくか……。っておい」
会話の途中で立ち上がり、彼女の方に向かう俺に宮村が驚いている。
そして横に立っても気付かない彼女に、声を掛けた。