兎心の宝箱【短編集】
「ここに馬鹿一号がいるから、馬鹿二号がきても問題ないぞ」
突然後ろから聞こえた声にドキっとする。
光太が後ろに立っていた。
「アンタいきなり後ろに立たないでくれる? ビックリするじゃない」
「さっきから居たっての! ナツさぁ、親友に対して最近冷たいんじゃない?」
光太とは、小学校からの付き合いだ。当時私は、女の子の友達が少なく、男の子と一緒に走り回って遊んでいた。
その時からよく遊んでいた私達は、コウとナツと呼び合う仲にはなっていた。