兎心の宝箱【短編集】

「そうだよ、夏美。私と光太君が付き合ってから、全然私達と遊んでくれないじゃない。今日ぐらいは付き合いなさいよ。」

 そう……、私はコウと冬子が付き合い始めてから、二人とは距離を置くようにしていた。

 冬子は、私が高校に入ってから出来た友達だ。

 女の子の友達はほとんど居なかった私だけど、冬子とは馬が合ってすぐに仲良くなった。

「私が行ったら二人の邪魔になるんじゃない?」

 私に付きまとうようについて来るコウに冬子が告白したのは、一年生の終わり。

 春休みに三人でカラオケに行った帰りだった。


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