兎心の宝箱【短編集】
 
「ならないよう。夏美は、私の親友だもん、それに最近光太君も夏美が冷たくて淋しいみたいだしね」

 この馬鹿は、彼女の前で他の女の話をしているのか? まあいいか? 冬子もそんなに気にしてないみたいだし。

「オー寂しいぞ。俺より馬鹿な奴がいなくてな」

 ハァ。

 久しぶりに聞く憎まれ口に、何だか変に安堵する。

「ハイハイ分かりましたよ。で、どこでするの?」

 諦めて、二人について行く事にする。

「俺の家で勉強会しようぜ!」

 コウのその一言でコウの家でする事になった。


 コウが冬子と付き合い出してからは、一度も行ってない。

 前のままだろうか?


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