純粋
吹奏楽部の夢芽は


「はあはあ、こんにちは」


息がきれながら挨拶をして机に荷物を置いた。


楽器を準備した。


先輩のとなりで練習を始めた。


さっきのドキドキがおさまらない。


集中できないよ。


なんてことしてくれるの?


先輩が声をかけてきた。


「夢芽ちゃん大丈夫?音ちがくなってきているよ」


「はい、なんとか」


本当は大丈夫なんかじゃない。


トロンボーンを吹いてごまかしている私。


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