Secret Heart
haphazard
「ねぇ、ねぇってば!おーい。聞いてま・す・かー?起きてるんでしょっ!?」
…おかしい。さっきまでこいつ、起きてたのに。ていうか、詳しく言うと友達と喋っていたはず!
なのに、こいつ。私の姿を見たら行きなり寝たふりをした。
全く失礼な奴だ、この男。
こんな時は、必殺弱点攻め!
これしたら絶対、起き上がるはずだ!
「杏子、行きまーす!」
安室行きまーす!の、あの名言セリフ風に言ってみた。勿論、小声で。
「フッ」
『うぎゃっ?!馬鹿!やめろ!!!何してんだよっ』
そう私は今、目の前の男の耳に息を吹きかけたのだ。
そしたらこの反応。
どこぞの女子中学生だよ。
顔も耳も赤くなってやがる。
「ハン」
あまりにもその顔が可笑し過ぎて、鼻で笑ってしまった。