distanse
俺の様子がおかしいこと

に気付いた翔ちゃんが気

遣わし気に振り仰ぐ。

『あのね、私も仕事して

るし、かずが仕事辞めて

も大丈夫だからね』

「何?そんなに俺は頼り

ない?」

『違う!そんなこと言っ

てるんじゃ…』

翔ちゃんの言葉は俺の唇

で塞がれて途中で途切れ

た。

「心配かけてごめん。だ

けど、俺この仕事そんな

に嫌いじゃないんだ」

大人しくなった翔ちゃん

にゆっくり語りかけた。

翔ちゃんが俺の事心配し

てるのは知ってる。普段

は何も聞かないし、俺の

仕事には干渉しない翔ち

ゃんだけど、たまにこう

やって本音を口に出すこ

とがある。
< 6 / 20 >

この作品をシェア

pagetop