聞こえる。


「…俺さ…父親がいなくて……つかどっか行っちゃって…
それ以来、母さんは俺を毎日殴り続けてさぁ…
お前さえいなければ…
お前が悪いんだ…
毎日そればっか言われてたんだぁ…
そのうち暴力しなくなったけど酒を飲みだして、家中ゴミだらけ…
母さんは家の外に出なくなった。カーテンも閉めたまま…
小5で一人暮らし当然の生活をおくったよ。
今も、その生活が続いてる。
あまりに家が汚いから、トイレと風呂と自分の部屋以外は靴を履きっぱなし…

でも村上には負けるよ。
自分だけだと思ってた……浅はかだよなぁ……」



「…拓海くん…」



「何かあったら、俺の家でよければ逃げ込んでいいから…
逃げ道はちゃんとあるから……

だから…頑張ろう。」



「…うんっ…ありがと…」



俺はうまく言えただろうか?
少しでも元気をあげれたのだろうか?
何が1番の救いになるのだろうか?
俺は何をしたかったのか?



次の日…目が覚めても、その答えはでなかった。





そしてまた…靴を履き、今日が始まる。




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