先生といっしょ!!
「なによぉー」
ジャマされたことが面白くなくて、あたしは唸りながら振り返った。
文句言おうと思った。
罵ってしまえと思った。
でも、あたしは何も口にすることができなかったんだ。
そこには、知らない男の人が立っていた。
浅黒い肌に、長めの黒髪。
耳にはピアス、ヒゲはしっかり整えられてる。
黒いスーツを着ていなければ、DJとかバーテンとかに見間違えてしまいそうだ。
歳は、20代後半ぐらいだろうか。
その人は、あたしが今まで見た中でも一番と言っていいほどステキだった。
でも、あたしが惹きつけられたのは、黒々と輝く瞳だった。
どこか空虚な光を宿しているのに、はっきりと意志の強さが表れている、細めの目。
あたしは、ぼんやりと見とれてしまった。