先生といっしょ!!
風が冷たく吹きこんでくる。
寒い。
寒いよ……ケン。
いつもあたしを温めてくれてたはずの大きな腕が、ここにはない。
さっきまでの幸せな気分は、どこに行ってしまったんだろう。
大好きだったのに。
信じてたのに。
……ううん、過去形じゃないや。
まだ、あたしはケンのことが忘れられてない。
けど……、だけど……
もう、会えないんだ。
こんな日が来るなんて思ってなかったよ。
頬を流れるものには、気づかないフリはできなかった。
誰もいない、月明かりだけに照らされた道をとぼとぼ歩きながら、
あたしは声を上げて泣いた。