エターニアの冒険者たち ~未来の勇者?~
第二章

契約

アルとエイルは都へ向かっていた。
都へは村から半日の位置。今日は天気もいいし、夕方には付くだろう。

 しばらく歩いていると、1人の若い剣士がモンスター狩りをしていた。
その剣士を見てアルが一言。
「始めはあんな仕事しかないのかな。」
「まずは修行。強くなるまで我慢しようよ~」
なんか緊張感の無いエイルの口調だが、アルはたいして気にしていないようだ。物心が付いた時から聞いているので、ただ慣れただけか…

 職業としての冒険者の仕事は、ミッション(任務)とクエスト(依頼)がある。ミッションは主に国から依頼である。基本的には必ず参加しなければならない。クエストは依頼主は様々である。一般市民もいれば国からもある。クエストの内容は酒場等にあるクエストボードに貼り出されている。そこから選択して受けることとなる。ミッションもクエストも目的を達成させることができれば、成功報酬を受け取ることができる。この成功報酬が主な冒険者の収入源だ。

 この剣士もミッションかクエストだろう。又は獲物の皮や骨などを採取して何かを作るための素材を集めてるのかもしれない。ただの腕を上げるための修行かもしれない。冒険者の中には町にある貸し施設で物を作って商売している者もいる。またそう言った物へ素材を売ってお金にしている者もいる。目的は何であれ、こういった冒険者がいるおかげで、街道の安全が保たれている。
 この大陸には大地に魔法の力があり、その作用でまれに野生動物が大型化し凶暴化する。それがモンスターだ。モンスター化した動物は見境無く攻撃してくるため、発見したら駆除する必要がある。野生動物だけではなく、人間を含む人類までモンスター化してしまう場所もあると聞く。

「がんばってください~ヒーリング!」
すれ違いざまにエイルが剣士へ体力回復の魔法を放った。
「ありがとよ!」

ちょうど日が暮れる頃に都に着いた。
「エイル、早速王宮に行くぞ!」
「え~。まずは飯にしようよ。腹減ったよ~」
「もたもたしてると王宮がしまっちゃう。面倒なことは先に終わらせてしまおう!」
「ちょっと待ってよ~」
早歩きでどんどん進むアルをエイルが追いかけていた。

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