【短】僕は妹と愛を誓い合う


『ふぅ…暑っ~』


神社に着いて、石段に腰を下ろすと、僕はジャケットを脱いだ。


結婚式から逃げた僕はタキシードのまま。

この格好は夏には向いてないな。

ってそういう問題じゃないか…。


「ジャケットシワになっちゃうよ?」

隣に腰を下ろした凛が言う。


『ん…あぁ…。それより足大丈夫か?』

「うん…ちょっと休めば平気」

『そっか』


その後続く沈黙。


周りに木が生い茂ってるせいか少し暑さが和らぐ。

気だるい初夏の午後。

これから僕達は何処へ向かうのだろう……。



< 5 / 28 >

この作品をシェア

pagetop