【短】僕は妹と愛を誓い合う
『ふぅ…暑っ~』
神社に着いて、石段に腰を下ろすと、僕はジャケットを脱いだ。
結婚式から逃げた僕はタキシードのまま。
この格好は夏には向いてないな。
ってそういう問題じゃないか…。
「ジャケットシワになっちゃうよ?」
隣に腰を下ろした凛が言う。
『ん…あぁ…。それより足大丈夫か?』
「うん…ちょっと休めば平気」
『そっか』
その後続く沈黙。
周りに木が生い茂ってるせいか少し暑さが和らぐ。
気だるい初夏の午後。
これから僕達は何処へ向かうのだろう……。