いちごの味
チャイムが鳴って、
私たちは教室に戻った。


5時間目は体育だった。


千織にお弁当を食べられたので
私はお腹がまだ空いている。


「琉柚、早く行くよー!」


詩倶羅は元気だが、
私は全然元気じゃない。


「るーゆー!!」


「は、はぁーぃ。」


私は返事をすると、
更衣室から出た。


<<キーンコーンカーンコーン>>


チャイムが鳴って、
始まったときはもう、
意識が朦朧としていた。


しかも運の悪いことに、
その日の体育はマラソンだった。


「ちょ、詩倶羅、まって・・・」


私は手を伸ばしながら言ったが、
詩倶羅にその声は届かなかった。


「うぅ・・・。」


ふらふらしながら私は必死に
走っていた。


「うあー、おなかすいたぁー。」


そんなことを叫びながら、
ひたすら走っていた。


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