いちごの味
頑張って走っているつもりなのに、
全然前に進んでいない。


しかも、同じように走っている
男子にどんどん抜かされていく。


「はぁ、はあっ・・はあぁっ。」


だんだん呼吸が荒くなってきた。


女子は10週走らなくちゃダメだけど、
私は全然進んでなくて、
まだ3週しか走ってない。


しかも、もう走り終わっている
女子もいる。


「はぁぁッ、もう・・だめっ・・。」


途中で詩倶羅に何回も抜かされた。


もう何回抜かされたか覚えてない。
少なくとも5回以上は
抜かされている。


グランドに走っている人も
だんだんいなくなってきて、
私は確実にビリだ。


「よっ。」


そう後ろから声をかけられて
振り向くと、そこには
千織がいた。


「お前、おっせーなぁ。」


と、言いながら通り過ぎていくのだ。


「はぁ!!?誰のせいだと思ってんの!?」
私は大声を出した。
そのせいで今まで以上に
足がふらついた。






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