監禁して愛して
龍楴は正座をしながらわたしを見つめている。

『その‥仕事で‥‥‥‥』

『仕事ぉ?!
あんた前わたしに何て言ったのよ!』

"店長が男だから仕事を辞めろ"と言った時の事をわたしはほじくり出す。

『飲みに行くまでは仕方ないとして‥‥‥
"し・ご・と"だもんね!』

仕事と言う所を強調しまくる。

『言い寄られてんじゃん!
てか、言い寄られてんじゃん!』

何故か2回言った。

『ほんっっっっとありえない!!

出てって!
顔も見たくない!』

この言葉を言ってから気付く。
ここは龍楴の家だ‥。

『‥‥‥‥‥帰る!!!』

無造作にカバンを掴み、思い切り龍楴を蹴ってから家を飛び出した。
絶対に追いかけてくると分かっていたので、全速力で走りながら。

『あ、ちょっ‥タクシー!!』

なんともドラマみたいなタイミングでタクシーが目に入ったので右手を高々と挙げて止めた。
タクシーに乗り込み怒鳴る。

『とりあえず出して!!』

運転手は何事かとビックリした顔をしたが、わたしの顔を見るなり急いで走り出した。

どうして顔を見るなり発進させたのか気になり手で頬に触れた。

あぁ‥泣いてるのか。
と、思いながらわたしは携帯を取り出す。
カチカチと操作した後、真紀の携帯へ電話をした。
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