精神の崩壊
 正春達は、早く逃げなければならないが暫くまともな物を食べていなかったので、途中で店に寄り食料を買い食事を取った。
 何時もならそんなに美味しいとは感じないインスタント食品や、スーパーの弁当が今はとても美味しく感じる。

 こんなに美味しい物が有ったのかと思える程のそれをガツガツと掻き込みろくに噛みもせずに呑み込んで行く。

 それだけ私達は飢えていた。

 そして、私達は食事を済まし再度逃避行の旅に出る。

 そして、二日後私達はとある山の麓町にたどり着きそこで暮らす事にした。

 いくら田舎の寂れた村とは言え安全の為勿論変装はするし、民宿も近辺の村や町で探し変えながら第二の我が家を探す。

 そして五日が過ぎた頃、村外れの傾き掛けた空き家を無条件で借りられる事に為った。

 事情が事情なだけに無条件は有り難いが、もう一つ千春の問題がある。

 勿論学校等行かせる事等今の状況では出来ないが、ずっと家に居させては変に思われる。

 そこで私は、日中は千春を別の場所へと連れて行き、そこで勉強を教えて夕方戻る様にする事にした。

 そして、そんな日々が一ヶ月半程続いた頃事件は起こった。

 油断した…………
< 102 / 112 >

この作品をシェア

pagetop