精神の崩壊
 その後も女は、あゆみの身体や、剥ぎ取った皮膚を加工して行く。
 
 ゴリゴリッ……

 〈ウヒヒッ……〉
 
 そして、女があゆみの死体を椅子に座らせた所で、画面が一瞬暗く為り、廃屋の映像が映りこんだ所でDVDは終わった。
 
 警察が、その映像を元に調査すると、その廃屋は、某所の山林近くにある廃屋だと言う事が解った。
 
 警察が、その廃屋に駆け付けて中へ入って行くと、そこには宮野あゆみと思われる死体があった。
 
 死体の前には
 
 『題名:フラワードール』
 
 と書かれた紙が置いてあり、宮野あゆみの死体は異常なまでの常態で発見された。
 
 頭や腹部には、こちょうらんの花が植え付けられており、その周りには、あゆみから剥ぎ取った皮膚や内臓と針金を使い、薔薇の花束に模して作られた、血の滲んだ人皮の花束等が幾つも飾られていた。
 
 『フラワードール』
 
 これも、正春の画集に載っている題名の一つだ。
 
 当然こんな酷い物ではないが。 
 また、正春の絵のモチーフを使った猟奇殺人が起こった。
 
 一体、女の目的は何なのだろうか……。
 
 どうしたら、こんなにまで残忍になれるのだろうか……。
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