精神の崩壊
　警察は、その証言を元に捜査し、ある一台の車に行き当たった。
　
　その車の持ち主は
　
　『大田茂』
　
　と言う男だと解った。
　
　警察が、事情聴取を行う為に大田茂の家へ向かうと、大田茂の家は、周りに他の家がない静かな場所に、ひっそりと建っていた。
　
　駐車場には例の車が止めてあり、中を覗いてみると、バックシートに血痕の様な小さな痕が見受けられる。
　
　それを確認した後、玄関へ向かい呼び鈴を押したが、何の反応もなかった為、家の裏の方へ回ってみた。
　
　すると、裏には小さな倉庫が建っていて、シャッターが半開きに為り、ちようど腰の高さ位で止まっていた。
　
　身を屈ませそっと覗いて見ると、倉庫の中には、血痕の様な痕がそこら中にベッタリと付いていた。
　
　中へ入り調べると、女性用の衣服等があり、その中に財布があった。
　
　財布の中には、診察券が入っていて、診察券には富岡良子と書かれていた。
　
　倉庫の真ん中には、台が置いてあり、その上に２本の金属バットが置いてある。
　
　台やバットには、肉片や骨のかけららしき物が付着していてもはや疑う余地はなかった。
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表紙・目次

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