精神の崩壊
 倉庫をでて、その事を本署に連絡し、再び家の周りを回っていると、掃き出し窓が開いており、中から悪臭が漂って来ていた。
 
 (うっ…なんて臭いだ)
 
 事件の臭いを感じて捜査員が中へ入って行き、部屋を調べていると、どうやら臭いは2階から漂って来ている様だった。
 
 もしかしたら、犯人が潜んでいるかも知れない為、慎重に階段を上って行く。
 
 そして一部屋、また一部屋と探って行くと、部屋の真ん中に布を掛けられた大きな物が置いてる部屋があった。
 
 しかも、暖房が入れられていて可なりの暑さだ。
 
 その布には、どす黒い血痕の様な染みが付いていて、床にもそれは広がっていた。 
 
 「これは、一体何だ……」
 
 そう言って、捜査員が恐る恐る布を引き取った瞬間
 
 「ゔわーーーーっ……」
 
 捜査員は思わず悲鳴を上げ、後へ倒れて尻餅を付いた。
 
 そこにあったのは、大田茂と思われる腐乱した死体だった。
 
 その死体は、一度切り開かれて骨や内臓を抜かれ、その後縫い合わせられている様だった。
 
 そして、その抜かれた骨や内臓を大事そうに抱いた感じで椅子にロープで固定されていた。
 
 そして、床にはお馴染みの物があった。
 
 『題名:着ぐるみ』
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