精神の崩壊
 香苗は、切断された腕を、切断された部分に、くっつける様な動作をしながら、泣き喚いている。

 「ゔえぇんウグッウグッ…」
 〈ウヘヘッ…グヒッ…アヒャ〉

 女はそれを見て、笑いながら斧を振り上げ、振り降ろした。

 そして、切断された腕を、右肘に合わせ、握っている香苗の左手首を切り落とす。

 グシャッ……
 ゴトン…ゴトン…コトリ……

 腕が落ち、床でバウンドした勢いで、左手首が離れてコロリと転がる。

 香苗は、さっきまであった、左手首を探すかの様に、血が噴き出す手首を、茫然と見詰めている。

 〈ギヤハハハハハハハッ〉

 それを見て、高笑いする女の声で、ビクリとして我に帰り、香苗は逃げて行く。

 「嫌ーーっ…ウグッウグッ……」
 〈アヒャッアヒャッ…イヒヒ…〉

 不気味に笑い、それを追い掛ける女……。

 ドカッ…グシュッ……

 斧が、香苗の右脚を捕える。

 香苗は、ドサリと倒れ込み、切れ落ちた自分の脚を見て、ヘラヘラと笑いながら、脚の方へと這って行く。

 「ウヒヒッ…私の脚…ウヒヒッ……」
 「…の脚…ウヒヒッウヒヒヒヒッ……」

 そして、また斧が振り下ろされる。

 ドカッゴキッグシャッ……
 メキョッグチュッドカッ……

 〈ウヒャハハハハハッ……〉
 〈ウヒッウヒッ…ウヒヒッ……〉

 そして、香苗は肉片と為って行った。
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