精神の崩壊
再び…
 正春は、リビングのソファーに座り、ただただ怯えていた。

 いったい今度は誰が、どんな殺され方をしたのか……。

 そう思い、震えている時……

 ピルルルルッ……ピルルルルッ……

 電話が鳴った……

 「はい、真田ですが」
 〈わ・た・しウフフッ〉

 それは、女からだった。

 〈飾り付けは、終わったわ〉
 「か…飾り付けって……」
 〈時期に解るわ……〉
 〈私は、何時でも貴方を見てるわ…ウフフッ…ま・さ・は・る〉
 〈ウフフッ…ウフフフフフッ〉
 〈それじゃぁ…愛してるわ〉

 ツーッツーッツーッツーッ……
 ガターーン…カタカタカタ……

 正春は、手から受話器を取り落としガタガタと震えている。

 その姿を、千春が部屋のドアの隙間から、心配そうに覗いているのに気付き、正春は慌てて平静を装って、受話器を戻し、ソファーに戻った。

 「お父さん、どうしたの」

 千春が心配して寄って来た。

 「大丈夫、何でもないさ」

 正春は、千春にそう言った。

 そして、時が昼の12時を過ぎた頃それは流れた。

 ピッコンピッコーーン……

 「突然ですが、ニュース速報です、先程男性の変死体が発見されました……」
 「現場は、刈谷町の人気の無い林道で、発見された……」
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