精神の崩壊
 鮮血に染まった廊下をドアの方へと歩いて行く……。

 ……ベチャリ…………

 天井にへばり付いていた肉片が、肩へ落ちてへばり付く。

 床は、ドロリとした鮮血でヌルヌルと滑り、進行を妨げる。

 ガタガタと震えながら、勇気を出してドアノブを回し、ドアを開く。

 キィーーーーッ…………

 と音を立て、ドアが開いた時

 「ウギヤーーーーッ……」

 ドターーン……

 ドアを開けた捜査員が、悲鳴を上げその場に倒れ込んで真っ青な顔をしてガタガタと激しく震え出した……。

 ベチャベチャッ…ゴボッ……

 と言う音と共に、口から吐瀉物が溢れ出す。

 捜査員がそこで見た物は、壁や天井に、鮮血の滴る臓器が装飾するかの様にぶら下げられおり、部屋の中央にあるテーブルには、脳みそが盛り付けられた赤く染まった器や、眼球の盛られた器が並んでいる悍ましい光景だった。

 テーブルは、鮮血で赤く染まり、床へポチャポチャと滴が滴り落ちている。

 そのテーブルの周りには、頭が割れ、腹が切り裂かれ、眼球が抜かれ、ドロリとした鮮血に赤く染まった12体の遺体が、針金で無理矢理作られた、にんまりとした笑顔で、口に臓器をくわえ座っており、正に地獄絵図と化していた。

 そして、その奥の壁には。

 『題名:晩餐会』

 と書かれた紙とDVDが貼付けてあった。

 その後の調査により、建物内外から

 CIC6H4CHC(CN)2

 と言う成分が検出された。
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