精神の崩壊
女が動き出す……
 それは、住宅街にある倉庫で見付かった……。

 近所で犬の散歩をしていた男性が、散歩をしている途中に誤ってリードを放してしまい、逃げた犬を追って倉庫の方へ来た所、犬が倉庫の中から赤く染まり出て来たのでおかしく思い半開きに為ったシャッターの下から中の様子を覗いた所、血塗れと為った死体を発見し警察に通報……そして、この事件が発覚したのだった。

 倉庫内の床は、ヌチャリとした鮮血で真っ赤に染まっており、床の上には真っ二つに切り裂かれ臓器をドロリと出した男性の死体の上に、背中の皮膚を剥がれ、その皮膚を大脚部に縫い付けられた女性との2人分の死体が組み合わされて出来たまるでロッキングチェアーを思わせるかの様な肉魂と為った人肉の椅子がその姿を見せていた。

 そして、鮮血に染まった人肉の椅子の上にそれは置かれていた………。

 『題名:チェアー』

 そして、DVD…………

 何時までも続く残虐な殺人事件、いったいどうすれば此処まで歪み、此処まで残虐な殺人が出来るのだろうか……。

 猛気と為り、猟奇殺人を繰り返し続ける、女への恐怖心が改めて蘇って来る。
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