精神の崩壊
 残るは1台のみ、所有者の名前は、草野静恵35歳、静恵は5年程前に事故で家族を亡くし、暫く唯一の肉親である娘の愛子と暮らしていたがその愛子も1年程前に轢き逃げ事故でこの世を去っていた。

 唯一の肉親である娘の愛子を失った静恵は、精神に異常をきたし4ヶ月程精神病院に入院していた事も解った。

 その時の状況を聴くと、突然泣き出したり、笑い出したり、奇声を上げたり、暴れ狂ったり等していたと言う事だった。

 しかし、その後は安定し4ヶ月後には退院し、通常の生活を取り戻して平和な暮らしをしていた様だ。

 しかし、その女が所有する車が現場近くで目撃されている。

 いったいどう言う事なのだろうか。

 仮に草野静恵が事件に関係あるとして、何故正春なのだろうか。

 警察はまず、まだ解決していない轢き逃げ事件に焦点を合わせる事にした。

 しかし、目撃者も物的証拠も全く無く、事件も何の進展も無いまま1年が経過しており、絶望的状況だった。

 しかし、それを調べる事が今回の連続猟奇殺人事件に繋がる重要な手掛かりに為るかも知れないとし、轢き逃げ事件も視野に入れ今回の事件を捜査する事にした。

< 76 / 112 >

この作品をシェア

pagetop