精神の崩壊
 捜査員は、正春に草野静恵と言う女性が関係しているかも知れない事や、その娘の草野愛子が轢き逃げ事故で亡くなっているが未だ犯人が捕まっていない事等を話し、心当たりがないか尋ねた。

 「いえ、解りませんね」
 「全く心当たりが無いです」

 正春は、まさか自分がその轢き逃げ犯だとは言えない為、とぼけるしかなかった。

 「そうですか、解りました」
 「もし何か思い出したら何時でもご連絡下さい」

 そう言って捜査員達は帰って行った。

 (やはりあの事故が関係していたのか……)

 正春の心に深い罪悪感がのし掛かって来る。

 しかし、捕まる訳にわいかない。

 正春の頭に逃走と言う二文字が浮かぶ。

 しかし、周りには警察が……どうやって……。

 正春の頭に様々な思考が巡りその答を探す。

 そして、正春の頭の中に一つの答が出た。

 その頃警察は、草野静恵が事件に深く関わっているかも知れないとし、やっとの思いで捜査令状得る事が出来ていた。

 そして、捜査員達は草野静恵の家へ向かい、徹底的に調査が行われた。

 その結果、壊れたデジタルカメラとメモリーカードが発見され、事故に関係がある可能性が高いとして直ぐに調べられる事と為った。
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