精神の崩壊
いよいよ良子の番に為って、良子は正春にサインをして貰った後に
「応援してます」
「頑張って下さい」
そう言って、正春と握手をして上機嫌で帰っていると、後ろから
バリッ…バリバリッ……
何かを破る様な音が聞こえて来たので、振り返ると男が正春の目の前で、買ったばかりの画集をびりびりに破りながら
「こんなしけた絵なんか、描いてんじゃねぇよ」
「お前なんかより、俺の方が才能あるんだよ」
等と、正春に暴言をはきちらしていた。
周りのファン達が、その男に文句を言い出して、いざこざが起こり出した。
問題の男は
「うるせーーっ」
「どきやがれーーっ」
と、怒鳴りながら、ファン達を突き飛ばし、逃げて行った。
良子は、その様子をただただ呆然と見送っていた。
中には、その男を追い掛けて行くファン等もいた。
〈……せない……〉
〈…許せない……〉
〈正春の絵……〉
〈破った……〉
〈あの人の…絵……〉
〈私の絵……〉
〈私だけの人……〉
〈ゆ・る・さ・な・い〉
〈ウヒヒッ…ウフフッ……〉
「応援してます」
「頑張って下さい」
そう言って、正春と握手をして上機嫌で帰っていると、後ろから
バリッ…バリバリッ……
何かを破る様な音が聞こえて来たので、振り返ると男が正春の目の前で、買ったばかりの画集をびりびりに破りながら
「こんなしけた絵なんか、描いてんじゃねぇよ」
「お前なんかより、俺の方が才能あるんだよ」
等と、正春に暴言をはきちらしていた。
周りのファン達が、その男に文句を言い出して、いざこざが起こり出した。
問題の男は
「うるせーーっ」
「どきやがれーーっ」
と、怒鳴りながら、ファン達を突き飛ばし、逃げて行った。
良子は、その様子をただただ呆然と見送っていた。
中には、その男を追い掛けて行くファン等もいた。
〈……せない……〉
〈…許せない……〉
〈正春の絵……〉
〈破った……〉
〈あの人の…絵……〉
〈私の絵……〉
〈私だけの人……〉
〈ゆ・る・さ・な・い〉
〈ウヒヒッ…ウフフッ……〉