精神の崩壊
 現場に駆け付けた捜査員の確認により、今回被害に遭ったのは、三浦武信捜査官である事が解った。

 又しても仲間の命が奪われてしまった。

 いったい女はどの様な手口を使い犯行を行ったのだろうか。

 何時何処から襲って来るとも解らない恐怖と、次は自分がこう為るかもしれないと言う恐怖心が捜査員達の中に広がる。

 これを期に、捜査員達は単独行動は取らない様にし、必ず2人以上で行動をとる事にした。


 その頃正春と千春は、とある港街に居た。

 変装をしてなるべく目立たない様に気をつけながら、食事をする為にスーパーに立ち寄り、弁当を購入して直ぐにスーパーを出る。

 そして、人気の無い安全な場所で食事をする。

 正春は、いずればれるだろうが何時も仕事ばかりで余り旅行にも連れて行けなかったし、これまでの事件の事もあり、遊ぶ事すら余り出来なかったから気晴らしの旅行だと伝え納得させていた。

 変装に付いても、事件が事件だけに、ばれて騒がれると大変だからしていると言い納得させている。

 しかし、そこには千春と正春が仲良く食事をしている姿をひそかに見詰める視線があった。

 〈ま・さ・は・る……ウフフッ〉
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