狂人の手記(私が猟奇殺人犯と化すまで)
 そして、また一枚また一枚と爪を引き剥がして行く。

 少年の左手の指は、全て爪が剥ぎ取られ、爪床が剥き出しに為り、紅く腫れ上がり鮮血を滲ませる。

 「ギヤーーーーッ」

 「ギヤャヤーーーッ」

 今度は、キイキイと泣き叫ぶ少年の右手を掴み上げ、無理矢理引き寄せる。

 「イヤーーーーッ」

 〈クククッ…………〉

 嫌がり、怯え、泣き叫ぶ少年の爪を再び挟み、むしる。

 「ヤーーーーーッ」

 顔中を鮮血と涙でグチャグチャに汚し大粒の涙を浮かべ泣き叫ぶ。

 〈感じる……感じるよ……〉

 〈もっと泣け……喚け……〉

 「うわーーーーん」

 〈そうだ、その調子だ……〉
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