狂人の手記(私が猟奇殺人犯と化すまで)
 私は、興奮覚めやらぬまま自宅へと帰り、少年の鮮血に汚れた服と、興奮に濡れた下着を脱ぎ、シャワーを浴びた。

 そして、私は、私のなかの何かが変わりかけているのに自ら気付いた。

 血を見る事に興奮を覚える自分……悲鳴を聞き快感を覚える自分……様々な自分が見えて来る。

 そして、また……苦痛に歪む顔と、悲鳴が無性に味わいたく成って来た。

 そして私は、気付けばまた獲物を求めて徘徊していた……。

 無意識に苦痛に苦しむ者達の血と叫びを捜し求めている自分……これが、完全に狂い出した瞬間だった。
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